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2015年1月31日 (土)

雨の日は本にどっぷり

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生活習慣になった“金曜山登り”だが、昨日は一日中雨・・・こんな日はじっくりと読書をと、内田樹の「街場の戦争論」を読み出した。

固い難しい話を、明快にリズム感あふれる文体で綴るのが内田樹の魅力、本を読むというより講演を聴いているような気分になる。

「負けた先の戦争」と「これから起こる次の戦争」にはさまれた、現在。今の時代の空気は、その軽薄さも、その無力感の深さも、その無責任さも、その暴力性も、いずれも二つの戦争の間に宙づりになった日本に固有のものではないか。

「戦争間期」と位置づけた状況への危機感から、安倍政権の今後の政策を予測することによって逆に、起きて欲しくない方向に世論を喚起する・・・内田流の理路整然とした分析に引き込まれる。

国の形を、簡単には変えられないように行政府を縛るのが憲法。しかし「決められない政治」へのうっぷんを煽ることによって、「決められる政治」へと安倍自民党を大勝させ、権力を縛る縄をゆるめようとする国民・・・なぜ持たざる多数が持てる少数を熱狂的に応援するのか?

そのからくりがずうっと疑問だった私だが、内田の分析によってようやく分かった。株式会社にとっては市場での評価が全て。売り上げも利益も増えるように、CEO(最高経営責任者)に全ての権限を集中するトップダウンが理想とされる。

市場原理主義の台頭で、やがて国家もそうあるべきとなってしまった。経済成長至上主義のシンガポールが彼らの理想の国家形態なのだと。

グローバル企業に民主主義はなく、国家にもまどろっこしい民主主義は要らない?

そんな組織しか知らない世代が増えた結果、国家も経済成長のためには権限の集中が必要という主張に疑問を抱かなくなってしまった。さらに労働者の権利を守るはずの組合も一部特権階級のもの・・・。

かくて、アベノミクスで株価が上がっている以上、安倍政権は安泰でやりたい放題に (>_<)

でも、国は株式会社ではない。国家が破たんしたら有限責任では済まない。せめて国家がめちゃめちゃに破壊されても、「山河」だけは残すように・・・と。山河はただ地形ではなく、歴史や文化や風土や住む人などあらゆるものを含む・・・。

明るい未来予測ではない。できれば外れて欲しいという内田樹の近未来の日本論、ぜひご一読を。

坂本 洋

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コメント

是非、読んでみます!

投稿: 空 | 2015年1月31日 (土) 08時28分

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